動乱の幕末、朝敵として新政府軍の猛襲にさらされる会津。その激戦地に、のちの世で「幕末のジャンヌダルク」と呼ばれる一人の少女がいた。これは、新島八重の激動の物語である―――。 籠城戦開始から二週間が経過し、新政府軍の攻撃はますます激しくなっていた。そんな中、山川大蔵の妻・登勢が砲弾の爆発を防ごうとして死亡。さらに八重の父親も城外の戦いで命を落とす。本気で城を落としにかかる新政府軍を前に、松平容保はついに降伏の使者を出すことを決意する。それは新政府軍に容保の首を差し出すことを意味していたが、八重は「生きて会津の無実を証明してほしい」と進言。容保は思いとどまり、生きることを決意、これをもって一か月に及んだ会津戦争は終結したのだった。 川崎 八重 (かわさき やえ) 会津藩、山本家の娘。男勝りな性格で、剣術は同じ年代の男子を打ち負かすほど。父兄が扱う銃に憧れ、銃の撃ち方を学ぶようになる。その腕前は