国際原子力機関(IAEA)の年次総会が19日、ウィーンで開幕した。細野豪志原発事故担当相は演説で、東京電力福島第1原発事故の収束の目安となる原子炉の冷温停止について「年内をめどに達成する」と述べ、従来「来年1月中旬まで」としていた「ステップ2」完了の前倒しを表明した。 事故発生から半年で、収束に向けた取り組みが前進したことを国際社会にアピールする狙い。ただ警戒区域(20キロ圏)や計画的避難区域の見直しと避難生活を送る住民の帰宅の判断については今後、慎重に検討するとみられる。 総会に先立ち、細野氏は同日、IAEAの天野之弥事務局長と会談し、原発周辺の除染の本格化に向けて10月にIAEAの専門家チームを受け入れることで合意。現在停止中の原発の再稼働をめぐる安全評価への協力を得ることでも一致した。(共同)