東京電力は、福島第1原子力発電所の敷地内に放射性物質の拡散を防止する目的で、合成樹脂を主成分とする薬剤「クリコート」の散布を始めた。クリコートを製造販売する水処理メーカー、栗田工業は1日、記者会見し、期待されている放射性物質の拡散防止効果について「正直なところ分からない」と慎重な言い回しに終始した。 「あくまで土木薬品。用途が違うので(放射性物質の拡散防止効果は)申し上げようがない」 1日記者会見した栗田工業の浅野美登・技術サービス2部長は繰り返し、訴えた。 栗田工業によると、3月30日にクリコート2トンを大手建設会社に納入。その際、放射性物質の拡散防止効果の有無についての問い合わせがあったという。 クリコートの原液は、どろどろとやや粘り気があり、散布作業の終了範囲が分かるように緑色に着色されている。河川水や水道水で薄め、よく攪拌(かくはん)し、散布機を使って地表にまく。 水が蒸発すると固