雪の降る夜。青い毛布を頭からかぶった男が訪ねてきた。1人目が連れ出され、2人目が連れ出され、3人目が連れ出され、みんな死んだ。様々な都市伝説の源泉となった未解決の怪事件。 雪の降る夜は恐ろしい コロは明治、トコロは福井。近代化めざましい日本の片隅で、凄惨な事件は起こった。 1906年2月11日、吹雪の夜のことだった。 福井県三国町の回船問屋である橋本利助商店に訪問者があった。 訪問者は青の毛布をかぶり、同店の番頭である加賀村吉(当時30歳)に面会を求めてきた。 怪しいながらも取り次ぐと、青毛布の男は加賀村吉の親族からの使いで村吉を迎えにきたと言う。 「親戚の婆さまが急病で倒れたので、すぐに来て欲しい」 外はほとんど吹雪であったが、これは出向かぬワケにはいかぬ。 村吉は青毛布に導かれ同店を後にした。 それから2時間後。 今度は三国町玉井にあった村吉の自宅にも青毛布がやって来た。そして川向こう