2007年05月07日14:20 by 東京創元社 川又千秋『幻詩狩り』創元SF文庫版あとがき[2007年5月] カテゴリSF シュルレアリスム、言語、SF。 麻薬的効果を持つ文字列……“幻詩” 07年5月刊[日本SF大賞受賞作]『幻詩狩り』(文庫版あとがき[全文]) 川又千秋 chiaki KAWAMATA 本書『幻詩狩り』は、1977年12月、《奇想天外》誌(復刊21号)に発表した「指の冬」という中篇(総合SF研究会アンビヴァレンス発行のインデックスによれば、400字詰め原稿用紙69枚)を原型としている。 何かの調べ物で、シュルレアリスト名鑑をぱらぱらとめくっていて、やたらと自殺者が多いことに気付いたのが、執筆のきっかけとなった。それら自殺の原因を、なんらかの虚構によって繋ぎ合わせることはできないかと考えてみたのである。結果、思い浮かんだのが麻薬的効果を持つ文字列……“幻詩”であった。