東京・秋葉原の無差別殺傷事件を巡り、加藤智大(ともひろ)被告に対する東京地裁の初公判で検察側、弁護側が行った冒頭陳述の要旨は次の通り。 【検察側】 被告は派遣社員として働く中で、自分の存在価値が認められず、部品のように扱われていると感じ不満を抱くことがありました。携帯電話の出会い系サイトで知り合った女性が心配してくれたのをうれしく思いましたが、顔写真を送ると途端にメールが来なくなったことから、自己の容姿が不細工であると強いコンプレックスを抱くようになりました。 06年ごろから悩みや苦しみをサイトの掲示板に書き込むようになりました。期待通り、慰めやアドバイスが書き込まれ、掲示板は被告にとって不満の唯一のはけ口でした。 しかし08年5月ごろから、被告になりすました「偽物」や、無意味な書き込みで読みにくくする「荒らし」が頻発し、被告を思いやる書き込みがほとんどなくなりました。被告は自分の唯一の居