月探査機「かぐや」のイメージ図=宇宙機構提供 宇宙航空研究開発機構は21日、月の起源や環境に迫るため、米アポロ計画以来の大規模な観測を続けていた月探査機「かぐや」を、6月11日午前3時半ごろ、月面に落下させると発表した。任務を終えた「かぐや」は、落下直前まで地球へ観測データを送信するため、月の表側に落ちるように軌道修正する。国立天文台や東京大などは望遠鏡を使い、落下する「かぐや」の観測をめざす。 「かぐや」は07年9月、国産のH2Aロケットで月に向かった。07年12月から今年1月まで、月面から高度100キロの軌道を周回。X線や赤外線のセンサーなど14種類の装置と高精細なカメラを駆使して月の観測を続けた。その後は高度を下げて、月の磁場観測などを続けていた。 「かぐや」の観測データにより、月全体の高精度の地形図の作製や、月の裏側の火山活動の痕跡をとらえた。月の地平に沈む地球や、地球の後ろ