落語。体調のすぐれない和尚が診察に訪れた医者から「てんしき」があるかないかを聞かれる。和尚は知ったかぶりをしてその場をごまかし、あとで小僧を呼んで近所に「てんしき」を調べに行かせる。だれもが知ったかぶりをしたため、はっきりしたことを聞き出せない小僧は最後に医者を訪ね「てんしき(転失気)」とは屁 (へ) のことだと聞かされる。小僧は、和尚に「てんしき」とは盃のことと偽りを伝える。医者の往診の折、宝物の盃を見てもらおうと小僧に「てんしき」を持ってくるように命じた和尚がとんちんかんなやりとりの末、真相を知るというもの。