奇妙な味とは、推理小説ではあるが、論理的な謎解きに主眼を置かず、ストーリー展開及びキャラクターが異様であり、多くは残酷で、読後に無気味な割り切れなさを残すという特色を持った作品とされ、多くは短編作品である。 第二次世界大戦前の日本では探偵小説や推理小説のうち『本格派推理小説』に該当しない作品を『変格』と分類していた。『奇妙な味』はその中でもSFとも怪奇小説とも分類できない特異な作風を指す、江戸川乱歩による造語である[1]。 古くは、ギルバート・キース・チェスタトン『奇妙な足音』(『ブラウン神父の童心』所収)、ロード・ダンセイニ『二壜のソース』、ヒュー・ウォルポール『銀の仮面』、ロアルド・ダール『南から来た男』、サキ『開いた窓』などが奇妙な味の古典として挙げられる。その後、1950年代から1960年代、アメリカの雑誌黄金時代に隆盛を迎え、1970年頃には下火になった。 日本では、「奇妙な味」