1984年に撮影された、主砲の斉射を披露するアメリカ海軍の戦艦「アイオワ」[注釈 1] 史上最大の戦艦大和。宿毛湾沖標柱間で公試中、1941年(昭和16年)10月30日撮影。 軍艦の艦種としての戦艦は、その強力な主砲の火力による攻撃力と堅牢な防御力により、敵艦船の撃滅を主任務とした。多数の大口径砲を搭載し、また基本的には自艦の最大口径砲弾が命中しても耐える装甲を装備した。そのため極めて大型となり、第二次世界大戦までは、巡洋戦艦、大型航空母艦に並ぶ最大の軍艦だった。 戦艦は、高価かつ当時の先端技術が結集した兵器であるため、戦艦や巡洋戦艦といった主力艦の大規模な艦隊を編成して維持する国は、豊かで科学力に優れた列強国に限られた。戦艦が出現した19世紀後半から20世紀半ばにかけては、戦艦の保有隻数などが国力のシンボルとされ、政治・外交の局面でも重視された。より大口径の砲を備えた、強力な戦艦を持つ国