死後13年間凍結されていた牛の生きた細胞からクローン牛を作ることに、岐阜県畜産研究所と近畿大の研究チームが成功した。長期凍結保存した細胞による哺乳(ほにゅう)類のクローン作成は、理化学研究所がマウス(16年間冷凍)で成功している。牛でも可能なことを示し、死んだ名馬や名牛の復活につながる成果として注目される。8日発行の米科学誌プロスワンに掲載される。 使用したのは、飛騨牛の元祖といわれる名牛「安福(やすふく)号」(1980~93年)の凍結細胞。冷凍していた精巣から細胞を取り出し、これまでにクローン牛4頭が誕生。うち3頭が現在も生きているという。 安福号は兵庫県で生まれ、岐阜県が購入した。死ぬまで安福号の精子で約4万頭が誕生した。優れた肉質を残し、飛騨牛のブランド化に大きく貢献した。 体細胞クローン技術を使うと、優れた肉質の牛や乳量の多い牛をコピー生産できる。国内では昨年9月末までに557頭の