『狂気の山脈にて』(きょうきのさんみゃくにて、原題/英題:At the Mountains of Madness )とは、アメリカの小説家ハワード・フィリップス・ラヴクラフトの幻想的怪奇小説。1931年に執筆され、1936年に出版された。 分量は、12章・160ページ以上(全集4版)の長編小説。ラヴクラフトの数少ない長編であるが、1931年2月から3月にかけてのわずか1か月間で執筆された。パルプ雑誌『アスタウンディング・ストーリーズ』の1936年2・3・4月号に分けて発表されたが、この時は編集部によって多くの部分が削除・改変されている。原文のまま発表されるのは、出版社アーカム・ハウスから改めて刊行された1984年の"狂気の山脈にてその他(英語版)"まで待たなければならなかった。 物語は地質学者ウィリアム・ダイアーの一人称視点で書かれ、彼の手記という体裁を執っている。のちに「クトゥルフ神話」