風変わりな哺乳類 ヨーロッパトガリネズミは、代謝が高く、昆虫、クモ、ナメクジ、ミミズなどを休みなく追い続けている哺乳類だ。スコットランドの高地からシベリアのツンドラ地帯にまで生息し、人間の聴覚では聞き取れない高音で鳴き、その反響を聞きながら土のなかを移動する。 「トガリネズミはとても風変わりな動物です。私たちが学べることはたくさんあります」と、ドイツのマックス・プランク動物行動研究所に所属する行動生態学者ディナ・デヒマンは言う。 食べ物が不足する真冬に備えて、多くの動物たちは活動の速度を落としたり、寒さをしのぐために冬眠したり、暖かい地域に移動したりする。 だが、トガリネズミは違う。寒い数ヵ月間を生き抜くために、自らの脳を消費するのだ。脳は4分の1にまで縮小する。だが、春になると脳内物質の多くが再生する。 季節によって脳やその他の器官が縮小・拡張するプロセスは「デネル現象」と呼ばれる。これ
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