本連載では、前回、前々回と中国の現状について見てきたが、中国の政策の中で一番の過ちは、多くの国民を海外に渡らせたことではないだろうか。 急激な経済成長にともなって国民の富裕化が進んだ中国では、農村戸籍と都市戸籍の間の格差を是正するなど、より多くの国民が海外に渡航できるような体制を整えた。その結果、5年前には誰も想像できなかった光景、つまり中国人旅行者が世界中を闊歩する現状が広がっているわけである。 これには、西側諸国が受け入れの体制を構築したことも大きいが、もともと西側の中国受け入れと中国国内の規制緩和というのは表裏一体である。多くの国民が海外に渡ること自体は、中国の発展にも寄与するものかもしれないが、それによって、人々はいろいろなことに気付いてしまった。 例えば、中国の学校では今も反日的な教育が続いており、「昔、日本軍は中国人をひどい目に遭わせた。すごく悪い奴らだ。それは、今も同じである
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