あと20年で実現する─このスローガンが半世紀以上前から掲げられ、まだ実現していないのが、水素の原子核などの融合を利用して電気を生み出す「核融合発電」だ。燃料1グラムから石油8トン分の熱量を得られる。その燃料は地球に無尽蔵にあり、電気代はタダ同然になる。数万年の管理を要するたちの悪い放射性物質も出さない─。こんな魅力的な売り文句に掻きたてられた期待は何度も裏切られた。 【写真】この記事の写真を見る(3枚) 「今度こそ」の期待がふくらむ核融合発電のスタートアップ企業 しかし近年のスタートアップの動きを見ると、今度こそとの期待が膨らむ。最も野心的な計画を打ち出しているのは米ヘリオン・エナジーだ。2028年にはなんと売電をはじめるという。米マイクロソフトは23年5月、同社と核融合発電では世界初の電力購入契約を締結した。 核融合発電は、軽い元素の原子核同士が融合し、重い原子核に変わる核融合反応を利用
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