「これから資本主義は、どうなっていくのか」。 今日は、そのことを田坂教授に伺いたいと思います。 田坂教授は、2009年に、『目に見えない資本主義』(東洋経済新報社)という著書を上梓され、資本主義の未来について語られていますが、その中で、「これから、日本型資本主義が大切にしてきた価値観が復活してくる」と述べられていますね。 それは、どのような意味なのでしょうか? 田坂:2008年、「リーマンショック」に端を発した世界経済危機が起こったとき、誰もが感じたことがありました。 これから資本主義は「成熟」していかなければならない。 それは、世界中の誰もが感じたことだったと思いますが、それから5年、資本主義が「成熟」を遂げたと感じている人は、おそらく誰もいないのではないでしょうか。いや、そればかりか、世界は、「ユーロ危機」という新たな世界経済危機に直面しており、その解決策も見えていないのが現実です。