オランダから未知の国、日本へ 右サイドからフワリとクロスが上がる。細身で長身のストライカーが、クロスに対応するDFの死角に入りながら巧みに体を入れ替え、しっかりと振り切ったヘディングシュートをゴールに突き刺した。 2012年1月27日、オランダ・エールディヴィジ第19節。PSVのホームで行われたPSVvsフィテッセ戦。前年の12月にヴァンフォーレ甲府からフィテッセへ移籍していた日本代表FWハーフナー・マイクがオランダで決めた初ゴールのシーンだ。 遠く離れた日本で、マイクの初ゴールをほかの誰よりも、ひょっとすると本人以上に喜んでいた人物がいる。清水エスパルスでコーチを務めるハーフナー・ディド。マイクの父親だ。ディドは、親子をつなぐ不思議な巡り合わせを教えてくれた。 「僕はFCデン・ハーグ(現ADOデン・ハーグ)でプロになったんだけど、初試合がPSVスタジアムのPSV戦だったんだ。同じス