刺青美人画で知られる異才の絵師・小妻要が本当に描きたかった「責め絵」とは──小妻画伯追悼原画展トークショー|志摩紫光 × 小出英二 × 慧梨香 × 芳賀英紀 その代表的な作風である“刺青美人画”によって、日本画壇に新しい潮流を巻き起こし、国内外の多くのファンを魅了してきた日本画家・小妻要(容子)。7回目となる追悼原画展の会場にて開催されたトークショーの一部を掲載する。 「女性の表情が苦痛に抗っている感じがしない。どこか諦めたような表情をしているでしょう?」 9月、芳賀書店の6Fにて開催されていた小妻画伯追悼原画展の会場。小妻要の描いた艶めかしくも厳かな“刺青美人画”を前に固唾を飲んでいると、不意に裏から志摩紫光氏がそう声を掛けてきた。 言われてみれば、いずれの小妻作品においても、女性の表情からは抵抗の念といったものは感じられない。絵の中の女性たちはみな麻縄による熾烈な拘束を施されているにも