東北地方太平洋沖地震とそれに伴う大津波の発生から、10日以上が経過した。安心するのはまだ早いかも知れないが、心配されていた破壊的ショック(Catastrophic Shock、キャット・ショック)の第2波--大規模余震の発生や津波の再来、原発被害の拡大など--は、一応回避されるのではないかとの期待が持てるようになってきた。それゆえ、今後は復興に本格的に取り組んでいくべき局面である。 今回の地震・津波によってもたらされた被害のうち、人的なものや自然環境にかかわるものの一部は、残念ながら取り戻すことはできない。取り戻せるものの中にも、そのためには数十年を要するものも少なくないだろう。ただし、狭義の物的・経済的被害に限れば、(今後、精査が必要で、それに伴って大幅に増加する可能性はあるけれども)いまのところ15兆円前後(対GDP比3%)と推定されている(大和総研等の調べ)。 この15兆円という金額