私には父との思い出があまりありません。 一緒に暮らしたのは生まれてからの9年間ぐらいでした。 なので父のことは実際にはあまりよくわかりません。 父がいなくなってから、母はなにかあると父のことを話してくれました。 父が私にかけてくれた愛情をたくさん話して聞かせてくれました。 月日が経ったある日、父が末期ガンだと人を通じて連絡が入りました。 父は病気がわかった時、みじかな人にこう話していたそうです。 「脳に転移してしまったら娘のことがわからなくなってしまうからその前に会いたい」と。 私は父の住む街に行きました。 そして、会って決断しました。 介護をしながら、最期の日まで父のそばにいようと。 父とは幼い頃に離れてしまっていたため、まるでお互いに他人同士のようでした。 なのでこのままでは私自身、後悔が残ると思ったのです。 父と本当の親子になりたいとその時、強く思いました。 それからは毎日が覚悟の日