配当狙い投資で最も大切なことは、「利益剰余金」をチェックすること――。こう強調するのは、冒頭でも登場した亜細亜大学名誉教授の碓氷悟史さんだ。 利益剰余金とは、企業が稼いだ利益のうち内部に蓄積した金額のこと。これが多いのは、これまで安定して多くの利益を稼ぎ続けたことの結果であり、収益基盤が強いことの証だ。また、利益剰余金は配当の原資にできる資金でもある。 ◆「利益剰余金」を見れば企業の強さがわかる では、利益剰余金がどのくらい蓄えられていればいいのか。 「配当可能年数が10年以上、長期収益力50%以上の水準なら収益基盤が強く、かなり優秀な企業と言える」(碓氷さん) 一方、長期収益力とは、利益剰余金が資産のどのくらいを占めているかを計算した率だ。碓氷さんの研究によると、「50%以上なら、無借金経営ないしそれに近い安定した経営が可能になる」という。 利益剰余金に関連したこの2つの条件に加えて、配