立正佼成会付属佼成病院(東京都中野区)で2011年9月、高濃度の酢酸を使った胃がん検査を受けた練馬区の女性(当時80歳)が死亡した医療過誤を巡り、警視庁は27日、当時、同病院の内科医だった男(35)(世田谷区)を業務上過失致死容疑で東京地検に書類送検した。現在も他の病院で医師を務めているという。 発表によると、医師は同9月22日、胃がん検査の際、本来は1・5~3%の濃度に薄めて内視鏡で胃粘膜に散布する酢酸を約25%の濃度で使用。女性は吐き気などを訴えたが、適切な処置をしなかったため翌月14日、入院先の別の病院で、腸管壊死(えし)で死亡させた疑い。 本来は酢酸と水を計量して検査液を作るが、医師はにおいの強弱で濃度を判断していた。調べに、「内視鏡検査を早く終わらせようと思い、においに頼って希釈してしまった」と供述しているという。