外で暮らす猫は、基本的に排他的で、自分ひとりの生活を守っていますが、 数が増えると、そんなことを言っていられなくなります。 単独生活を基本とする野生猫は、ふだん、成猫ならオスでもメスでも、自分だけの「縄張り」をもって生きています。 「縄張り」の範囲は、ネズミなどの獲物が多ければ、狭くても十分ですし、獲物の密度が低ければ、広い縄張りが必要になります。 野生猫が他の猫と暮らすのは、基本的に母猫と子猫の関係だけです。 子猫が育ち、自分で狩りができるようになると、子猫は、母猫の縄張りから出ていき、どこか別の場所に自分の縄張りを築きます。 メスの子猫なら、母猫の近くに自分の縄張りを築いて暮らすこともありますが、オスの子猫の場合、どこか遠くへ旅立っていきます。 これは、近親交配を避ける猫たちの知恵といえます。 しかし、人の生活圏に暮らす野猫では、かなり様子が違ってきます。 漁村など、人から与えられる食