2014-08-07 まわる 「HEP FIVEは大阪梅田の複合施設、ビルの屋上の赤い観覧車が目印」と観光用のガイドブックを読み上げると、その人は今から乗りにいこうと言って私の返事を待たずにせかせか歩いて行ってしまった。まぁあんなもん観光客しか乗らないけどね、と馬鹿にしたように言うからわざと「私ハ観光客デスカラ」と平板な声で答えてやると困った顔をする。数歩あとをついて行きながらヘップファイブってへんな名前、ヘップだってヘップゥ、と殊更にふざけながら何度も言った。あと数時間後には私は新幹線で博多まで帰るから、なにかしら喋っていないとたぶん泣く。 友だちだった頃には近くにいたのに恋人になった途端に住まいが離れてしまうというのは、もしかしたらご縁が無いのかもね。なんてことは話せないし、だからやっぱりヘップヘップとふざけながら歩いていく。HEP FIVEは名前もへんだし、遠くから見るとビルとビル