4歳になるひとり息子を、芥川賞作家夫婦で育てながら超多忙な日々を送る川上未映子さん。仕事、お金、子育て、美容。健康、暮らし、人間関係。しあわせやよろこびだけでなく、おそろしいこと不安なこと、そして思わず、びん詰めならぬゴン詰めたくなる世間のあれこれを綴ります。人気コラム『川上未映子のびんづめ日記』シーズン2、全16回でお届けする第10回目のテーマは、「子どもと社会」です。 自己責任という言葉というか圧力が、いったいいつ頃からこんなに馴染みになったのかは定かではないけれど、それらが子育てにもがんがんに効いているのを感じない日はない。社会的な正しさと、ままならない現実に挟まれて、まるで気持ちはマンモグラフィー検査にあえぐ乳房のよう……今日もフレシネを飲んで考えた。 「子どもを社会で育てる」って具体的にどういうことなのか 家庭内における夫婦のアンフェアネスについて是正を叫べば「そんな相手と結婚し