仕事から帰ってくると、妻と子がいない。突然のことに呆然としているうちに、離婚調停を求める書類が届く。妻と子の消息をたどるために役所に行くと、住所がブロックされ消息がわからなくなっていた――。 結婚したカップルのうち3分の1が離婚する現代。こうした話は珍しくない。典型的なのが、住民基本台帳事務におけるDV等支援措置(以下、DV等支援措置)を使っての親子引き離しである。 この措置は本来、DV加害者がDV被害者の居所を探索することを防止し、被害者保護を図るためのもの。いったんこの措置が取られると、管轄の市区町村が“被害者”の住民票や戸籍をブロックする。そのため加害者は被害者の消息を追えなくなる。 被害者の申し立ての真偽や、身の危険が本当に及ぶのかという緊急性についてはほとんど考慮されない。加害者による異議の申し立てを受け付けることもない。虚偽であったとしても“被害者”として虚偽申告した者に対して
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