民進党の新代表に前原誠司氏が決まったが、のっけからつまずいた格好になった。幹事長候補に名前が挙がっていた山尾志桜里議員の「不倫疑惑」が、時をはかったように『週刊文春』で報じられ、他のメディアも一斉に追随して「山尾たたき」に走ったからである。なにか、民進党前代表の蓮舫氏の「二重国籍」問題を、蓮舫氏が代表選に出るとなったときから『産経新聞』がしつこく騒ぎ始めたのと似た光景である。そしてまた、「加計学園問題」で前・文部科学事務次官の前川喜平氏が安倍首相にとって不都合な事実を語ったとき、前川氏の「出会い系バー通い」という、不正確で意図的に人格を貶めるような報道を『読売新聞』がしたこととも、重なってみえる。安倍政権を脅かす恐れのある人物を「アベ友メディア」がスキャンダラスな個人攻撃で潰しにかかる、という構図である。 蓮舫氏や山尾氏の場合は、事の真相がどうであれ、付け入る隙を与えたという意味では「脇が