言論の自由に関するインターネットのルールは通常は簡単だ。米国ではほぼ全面的に自由だ。中国では検閲がある。ところが、民主国家とはいえ宗教上・人種上の対立を抱えたインドでは、ルールは微妙で対応が難しい。グーグルもそれに四苦八苦している。 昨年9月、グーグルのニューデリー事務所の法務担当者は、同社の会員制交流サイト(SNS)「オーカット」に掲載された内容についてユーザーから警告を受けた。数日前にヘリコプターの事故で死亡したアンドラプラデシュ州の高官について侮辱的なコメントが載っているというのだ。グーグルはコメントを削除しただけでなく、関係したユーザー・グループ全員を退会させた。グーグルは、人々が人気の高い政治家の死を悼んでいる時だけに、緊張を激化させるのではないかと恐れたのである。 グーグルはインドでの業務を拡大するにつれ、同国が民主国家ではあるが法的・文化的な複雑さに満ちており、それに合わ