今回はヨーロッパのおとぎ話に登場する妖精,ブラウニー(Brownie)について紹介してみたい。 ブラウニーは,主にスコットランドやイングランドで信じられている妖精である。くしゃくしゃの髪の毛に帽子をかぶり,褐色の肌を持つ,身の丈1mほどの妖精だ。 彼らはひっそりと,人間と共に暮らすことがあり,家の住人が寝ている間に掃除をしてくれたり,小麦を刈り入れしてくれたりするが,とくにやることがないと,部屋を散らかしてしまうこともある。基本的に良い妖精だが,若干イタズラ者なのだ。 彼らを題材にした物語は非常に多く残されているが,その中でもとくに知名度が高いのが,グリム童話の「こびとの靴屋」だろう。寝ている靴屋の老職人の代わりに,妖精が靴を仕立ててくれるという話だ。最後は老職人とその妻が,お礼として服や帽子を妖精にプレゼントするのだが,その結果,妖精は二度と姿を見せなくなってしまう。 この童話は広く知ら