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  • 『荒地のバラード ~繰り返された悪夢~』 阿部匡廣 作

    逢って、知って、愛して、そして別れていくのが、幾多の人間の悲しい物語である。 (サミュエル・ティラー・コールリッジ) 第一章 繰り返された悪夢 その夜も、新宿の街はいつものように賑わっていた。  駅周辺の舗道や町並は、駅から吐き出されるおびただしい人波が溢れ、さんざめく夜の底を陽気な喧騒で満たしながら絶え間なく揺れ動いている。  松田隆一(まつだりゅういち)は新宿五丁目の交差点を渡って巨大なビルの谷間を抜けると、伊勢丹館の横を通り、明かりの消えた大きなショーウィンドーの前に立っていた。時刻は十一時を過ぎている。  彼は、客と別れてホテルを出たあと、午後の六時から近くの映画館の二階席の一番上の席に深々と身体を埋めて座り続けていたのだ。  遥か下のスクリーンで展開するアメリカ映画のアクション・シーンが幾度となく繰り返されるたびに、場内のスピーカーからあふれ出す衝撃音をなかば朦朧とした眠りのな

    『荒地のバラード ~繰り返された悪夢~』 阿部匡廣 作
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