空のマトリクス ブッダの「縁起」からナーガールジュナの「空」に到るまでを考察してゆく 第8章 アビダルマについての考察 8-1 アビダルマとは何か 「それはシャカムニ・ブッダの教えを、ブッダ没後三百~九百年ごろの学僧たちが研究し、解明し、組織づけて、一つの思想体系にまとめあげた知的努力を意味する。そして、その努力の結果として生み出された種々の著作--教義の解説書・綱要書・論述書など--も、おなじくアビダルマの名で呼ばれる。厳密にいえば、それらはアビダルマ・シャーストラ(「阿毘達磨論」または「阿毘達磨論書」)と呼ぶべきであるが、略して単にアビダルマとも言うのである。」 (櫻部建著 「仏教の思想2 存在の分析」 P18 角川ソフィア文庫) つまり、ブッダの思想を研究するグループの総称であり、それらを参考までに、列記するなら、説一切有部・経量部・正量部・犢子部・法蔵部・化地部・雪山部