モルガン・スタンレーに出資した三菱UFJが見るものは? 米国型の新自由主義、金融資本主義、市場原理主義は、いわゆる小泉構造改革を通じて日本にも導入された。それに対して、わたしはこのコラムを通じて、そのやり方がインチキであると言い続けてきた。 そしてようやく、今回の米国の金融危機によって、その正体が明らかになろうとしている。同時に、それが決して持続性のあるシステムではないことも明らかとなった。 リーマン・ブラザーズの破綻は、サブプライムローン問題の終わりなのではない。米国型金融システムである金融資本主義が瓦解する「終わりの始まり」になるだろう。 ところが、ここで愚かしいとも思える行動をとった日本の金融機関が2社現われた。野村ホールディングスと三菱UFJフィナンシャル・グループである。 野村ホールディングスは、リーマン・ブラザーズのアジア太平洋部門、欧州・中東部門、情報部門の買収を行