前回は、日常と非日常との分節について、『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』と『涼宮ハルヒの憂鬱』という二つの作品を主として参照しながら、問題にしてみた。日常と非日常の分節において、常にアクセントが置かれているのは、日常のほうであり、言い換えてみれば、それは、日常生活の分節の問題だと言っていい。つまるところ、非日常とは、日常生活に挟み込まれた節目の時であり、そうした節目の時を基準にして、日常生活がどのようなものであるかが俯瞰できるのである。 いったい、なぜ、このようなことを問題にしているのかということを、再度、確認しておこう。今日のサブカルチャー作品において決定的に問題になっていることは、リアリティだと言っていい。言い換えれば、それは、アニメやマンガを消費する人たちの共通前提とは何か、という問いである。この問いは、すぐさま、商業的な問いへと移行する類のものであるだろう。つまり、アニ