日本のある著名な研究所に向かうときに渡る橋を“変人橋”と呼ぶ。窓のない研究室に閉じこもり深い思考に浸ったり,技術雑誌に論文を書き,会議に出かける。これがこれまでの研究者の姿だとされている。 IBMはこういう研究者のスタイルを変えようとしている。米IBMのサミュエル・パルミザーノCEO(最高経営責任者)が「街に出よ」と,IBMのワトソン研究所(トーマス・J・ワトソン・リサーチ・センター)など8つの基礎研究所の研究者3000人に指令を出したのは2002年11月のことだ。今では,多くの研究者がIBMグローバル・サービスのコンサルタントと共に顧客を訪れ,特定の問題を解決したり,IBMが開発した情報技術の顧客先での使われ方を理解し,さらなる活用に知恵を絞り始めている。 野に出るための予算も,オンデマンド戦略向け100億ドルの10%,2005年までに10億ドルを振り向けた。それ以降,IBM基礎研はコン