(英エコノミスト誌 2009年6月13日号) 先進諸国の財政難に取り組む正しい方法と間違った方法とは。 1930年以来最悪となった世界経済の嵐は、収束に向かい始めたかもしれない。しかし、財政の地平線には既に、別の暗雲が垂れ込め始めている。巨大な公的債務である。 景気後退によって税収が減り、企業の救済や失業手当て、景気刺激策のための支出がかさむ中で、先進諸国の政府は膨大な借り入れを行っている。 国際通貨基金(IMF)のエコノミストたちが最近行った試算によると、2007年にGDP(国内総生産)の78%だった先進10カ国の公的債務は、2014年までに114%に拡大する見通しだ。これら10カ国の政府は、国民1人当たり約5万ドルの債務を抱える計算である。 第2次世界大戦以降、これほど多くの政府がこれほど急激にこれほど多額の借り入れをした例はないし、公的債務の総額がこれほど膨れ上がったことも