図1 固体高分子形燃料電池(PEFC)の反応 固体高分子膜はH+を通し、e-を通過させないため、外部回路に起電力が発生する。開発の焦点となっているのは、空気極側のPtを置き換える触媒である。 H2(水素)を燃料とする固体高分子形燃料電池(PEFC)は、低い温度で動作し、小型化しやすいため、携帯型機器や車載用電源として用途が広がっている。 しかしながら、100℃以下の低温で動作させるために、燃料となる水素と酸化剤となるO2(酸素)の反応速度を高めるために、活性化エネルギを下げる何らかの触媒が不可欠である。現在は、燃料極側にPt(白金)とRu(ルテニウム)、空気極側にPtを用いている(図1)。 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の試算によると、1台のPEFCに必要なPtの量は小型車(出力80kW)の場合が32g、中型車では60gだという。Ptの年間生産量は180tで、単