カース・マルツゥ(casu marzu)[注釈 1]は、イタリア・サルデーニャ地方で生産されるチーズの一種。別名カース・モッデ(casu modde)、カース・クンディードゥ(casu cundídu)、もしくはイタリア語でフォルマッジョ・マルチョ (formaggio marcio) とも呼ばれる。 その特徴は生きた蛆が入っていることである。名称はサルデーニャ語で「腐ったチーズ」を意味する。日常会話ではうじ虫チーズ、虫入りチーズとして知られている。 元はペコリーノ・サルドというチーズである。カース・マルツゥの熟成はチーズバエの代表種 Piophila casei の幼虫の摂食に伴う体外消化により通常の発酵を超え、知らない者が見れば腐敗と思う段階まで進む。製造段階で意図的に成虫に卵を産み付けさせるため、ペコリーノにこの幼虫がつく[2][3]。 チーズバエの活動は、高レベルの発酵とチーズの脂