学生の「キャリア官僚」離れが止まらない。 6月上旬に今年度試験の合格者数が発表されたが、受験者数は1万4300人余りとピーク時の6割にまで減少。東京大学の出身者は、合格者の9.5%で、過去最低だった。現役官僚が辞めて民間にいく例も相次ぐ。 国家を背負う人材をどう確保するのか。カギは「中途獲得」にある、と元官僚が動き出した。 (政治部 阿部有起) やりがいが…働き方が… 「どこを向いて仕事をしているのかがわからない。年次が上がるにつれてそういう機会が増えて、疑問を感じたり、議論をしたりすることなく、大切なことが決まっていく。そういうことがきっとこの先も続いていくんだろうなってふと感じたときに、『違う仕事にチャレンジしてみようかな』って思いました」 現在は民間企業で働く元官僚の30代の女性。 東京大学時代に「社会の不合理を変えたい」とキャリア官僚を志した。 入省後、内閣府への出向なども経験し幅