「図書館が利用者の情報を警察に提供していいのですか」。北海道苫小牧市の無職の男性(68)が、北海道新聞社(札幌市)にメールを寄せた。苫小牧市立中央図書館が警察の任意捜査協力に応じて貸し出し履歴などを提供していたことが昨年末に判明し、不安だという。道内の人口上位15市への取材では、札幌など8市が「提供する」、旭川など7市が「提供しない」とした。 日本図書館協会は1979年、図書館の自由に関する宣言(54年採択)を改訂。「利用者の秘密を守る」との項目を設けて読書記録や利用事実を外部に漏らさないと明記し、憲法35条に基づく裁判所の令状がある場合は例外とした。 きっかけは75年。東京都立図書館が警視庁公安部の捜査員の求めに応じ、資料の複写申込書1万~2万枚の閲覧を認めた。この際示されたのが、令状ではなく任意で捜査協力を求める捜査関係事項照会書だった。 その後も警察から同様の照会依頼が続き、図書館の