皆さんは「布団を敷く」と言うとき、「シク」と言いますか? 「ヒク」と言っていますか? 敷くという漢字を読めば「シク」のはずですが、「ヒク」という言い方もよく耳にします。「ヒク」は間違いなのでしょうか。それとも方言? 方言や日本語を専門に研究している園田学園女子大学教授の黒崎良昭先生にお話を伺いました。 【関西では、「ヒチヤ」が当たり前】 「敷くという漢字の読み通り、正しくは『シク』です。『ヒク』は『シク』が訛ったもので、関西を中心に普及している方言と言えます」と、黒崎先生。 関西人もしくは関西出身の人なら思い当たる節があると思いますが、関西人の多くは、たとえば質屋を「ヒチヤ」、七月を「ヒチガツ」、七五三を「ヒチゴサン」というように、s音をh音に発音します。大阪では街の質屋さんが「ヒチヤ」と書かれた看板を掲げていることも、珍しい光景ではないのだそうです。 こうした傾向は、かなり古くから見られ
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