[ 事件 index / 無限回廊 top page ] 津山30人殺し事件 【 惨劇 】 岡山県津山市から北へ20キロ行ったところの中国山地の鳥取との県境に近いのどかな山村で、わが国犯罪史上、未曾有の大惨劇が起こった。 岡山県苫田(とまだ)郡西加茂村大字行重(ゆきしげ)の貝尾部落とその隣の坂本部落を舞台に、1人の青年がわずか1時間半の間に、村人30人を惨殺するという事件であった。 西加茂村は全戸数約380戸、人口約2000人、貝尾部落は全戸数23戸、人口111人、その隣の坂本部落は全戸数20戸、人口94人という小さな村であった。 この両部落の住民はその大部分が零細農で、山田の耕作や養蚕を主な産業とし、冬の間は雪に閉ざされ、男は長期の出稼ぎや山に入って炭焼きをする者が多い。村には老人と婦女子だけが残る。「夜這い」など性的に放縦な旧習が色濃く残る地域でもあった。 1938年(昭