私の同僚に吃り(どもり)で悩んでいる人がいる。普段の会話はそれほど問題ないが、仕事で電話をしたり喋ったりすると緊張して吃音がひどくなる。本人も自覚していて治したいと思っているが、上手く喋ろうとすると余計にひどくなる。それはなぜか。吃りが自分だけの特別な病気だと思い、排除しようとするからだ。 人は誰でも緊張すれば言葉に詰まるし、震えたり、汗をかいたりする。そのような身体の反応は自然なことで、それに囚われず、会話であれば自分の意思を伝える事に集中する必要がある。それが理解できれば、精神的な問題で起こる吃音は緩和される。だが、口で説明してもなかなか伝わらない。そこで彼に一冊の本を勧めた。医学博士の岩井寛が書いた『森田療法』だ。 森田療法とは、1921年頃に森田正馬が創始した神経質症に対する精神療法。西欧の心理療法は神経症者の不安や葛藤を分析し、異物として除去しようとする傾向があるが、森田療法は不
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