気候変動問題への対策として、CO2をはじめとした温室効果ガス(GHG)の排出削減が求められています。CO2を排出しない再生可能エネルギーに切り替える、ガソリン車を電力自動車にする…といった排出削減対策はよく知られていますが、排出削減に取り組むためには、ある“モノ”がつくられ廃棄されるまで、つまりライフサイクル全体の排出量を考え、適切な対策を打つことが重要です。今回は、モノのサプライチェーンを通じた排出量という考え方と、そのものさしとなる「スコープ1・2・3」についてご紹介しましょう。 サプライチェーンを通じた排出を捉える「スコープ1」「スコープ2」「スコープ3」 モノがつくられ廃棄されるまでのサプライチェーンにおけるGHG排出量の捉え方として、「スコープ1」「スコープ2」「スコープ3」という分類方法があります。これは、GHGの排出量を算定・報告するために定められた国際的な基準「GHGプロト