第53次南極観測隊を支援するため、昨年11月に東京港を出発した南極観測船「しらせ」が4月9日、東京晴海ふ頭に帰港した。出港後、豪州・フリーマントルを経由して昭和基地に向かったが、4mの氷と氷上に積もった2mの雪に行く手を阻まれ、航海は困難を極めた。 前後進を繰り返し砕氷を行う「ラミング」を2000回以上敢行したものの、1月、昭和基地沖への接岸を18年ぶりに断念。ヘリと雪上車によるピストン輸送で、観測器材、燃料、食料など、積載量の6割強に当たる約820トンの物資と、南極観測隊の交代人員78人の輸送を行った。 また今回の航海では本来2機まで搭載できるはずのヘリのうち、1機がオーバーホール中であったため、1機しか搭載していなかったという。ヘリの整備を担当した隊員は「ヘリは1台しかありませんでしたが、効率的な計画のおかげでなんとか任務を遂行することができました」と語った。 輸送任務を終え帰路につい