吉田有希ちゃん殺害事件では、殺人容疑で逮捕された勝又拓哉容疑者が事件当初から不審者として浮上しながら、逮捕まで8年半という歳月が経過した。合同捜査本部は早い段階で勝又容疑者に事情聴取も行っていたが、接触後に犯行時に使用したとみられる車を処分されるなど、捜査の長期化が結果的に証拠隠滅を進めさせた格好だ。識者は事件解決を評価しつつも、「科学捜査の偏重など教訓は多い」と指摘している。 ◆関与引き出せず 「無職で引きこもりの怪しい男がいる」。事件当初から不審者情報で勝又容疑者が浮上。元親族の男性からも「怪しい」との情報が寄せられていた。 警察庁のプロファイリング(犯人像推定)でも「現場から5キロ圏内に住む、二、三十代の男」で、当時23歳で現場から数キロの栃木県鹿沼市内のアパートに1人暮らししていた勝又容疑者と合致していた。 このため、事件翌年の平成18年に合同捜査本部は勝又容疑者の事情聴取