その昔、「高速道路の渋滞で、先頭の車は何をやっているんだ」とぼやく漫才師がいた。ノロノロ運転の高速道路を走っていると、不快感からついそう言いたくもなる方も多いだろう。 そうした現象は道路に限らない。満員電車や空港のカウンターといった具合に、私たちは日常的に渋滞や混雑といった現象によるストレスを感じている。 だが、案外どういうしくみで起きているかまでは知らない。渋滞のメカニズムがわかれば、無闇にいら立つことも減るだろうし、また、渋滞を避ける対策も立てられるだろう。少しはストレス解消になるのではないだろうか。 そこで今回登場いただくのは「渋滞学」を提唱している東京大学工学研究科の西成活裕さんだ。西成さんの研究対象は、車の渋滞からアリの行列まで幅広い。渋滞に巻き込まれると、誰しも焦りやいら立ちを感じるが、西成さんもまた渋滞によるストレスが発端で、解明に乗り出した。 取材に訪れた日は、折しも研究室
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