文献に記された最古の南海地震「白鳳地震」(684年)と同じころ、記録にはない東海地震が発生したことを示す津波堆積物を産業技術総合研究所(茨城県つくば市)の藤原治(おさむ)主任研究員らが静岡県で確認したことが20日、分かった。同時期の津波堆積物は東南海地震のエリアでも見つかっており、3地震がほぼ同時に起きたことが確実になった。3つの地震が時間差なく発生した3連動地震の可能性もある。 西日本全域に甚大な被害を与える南海トラフでの3連動地震は、これまで宝永地震(1707年)が確認されているだけだった。巨大な連動型地震の繰り返し間隔や規模を考える手掛かりになるとともに、国の被害想定や防災対策の見直しに影響を与えそうだ。 「白鳳東海地震」を初めて立証する貴重な発見で、藤原主任研究員は「同時か時間差かは断定できないが、震源域は南海トラフ全域に及んだはず。今後は当時の地形を復元し、津波の遡上(そじょう)