トップ > 社説・コラム > 社説一覧 > 記事 【社説】 病院の住居化 生き直す機会奪われる Tweet mixiチェック 2014年7月1日 精神科の社会的入院を解消するため、病棟を住居に転換する構想が強い反発を招いている。厚生労働省は白紙に戻すべきだ。患者を地域から切り離し、人生を立て直す機会を奪い去る懸念がある。 先日の東京・日比谷公園の野外大音楽堂は、病棟転換構想に反対する三千二百人で埋まった。 二十年、三十年の入院生活を強いられた精神障害者らが訴えたのは、地域には自由があるという素朴な喜びだった。 食事や風呂、買い物、旅行、仕事、出会い、プライバシー。人生の折り返し点を過ぎ、人間らしい暮らしを取り戻した。病院からの解放感が響き合うようだった。 厚労省の検討会で有力視されている長期入院の解消策は、こうした思いを逆なでする。空き病棟に手を加え、患者に“ついのすみか”として提供する
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