チェルノブイリ原子力発電所:5号炉と6号炉用の冷却塔(※1) レポート01では、宇都宮大学の大久保教授より、森の中で移動する放射性物質について、計測方法や研究者の取組みに関する興味深いお話を伺いました。レポート02では、編集部が入手したいくつかの資料をもとに、1986年のチェルノブイリ原発事故における森林汚染と、対策についてとりあげます。レポート01と併せてご参考下さい。 森林生態系で循環する放射性セシウム 原発事故由来の放射性物質には何種類かありますが、いま森林を汚染しているものは主に放射性セシウムだと考えられます。放射性セシウムは自然界にはほとんど存在しない物質ですが、周期表でいえば第一族に属していて「カリウム」と性質が似ています。 そのため、成長にとって必須のミネラルであるカリウムと区別できずにセシウムを取り込んでしまう植物があります。その代表的な例に、アカザ科(ホウレンソウなど)や