汚染土を取り出す作業中の大槻さん宅。中央上は玄関ポーチ、右上の雨どい辺りは浴室で、それらの下に汚染土入りのフレコンバッグが潜り込んでおり、取り出すことができなかった=福島市内で2015年10月21日、大槻さん提供 「いいかげんな図なら無い方がまし」。東京電力福島第1原発事故に伴う住宅除染を巡り、福島市が作製した汚染土埋設場所の見取り図が誤っていたため汚染土の上に自宅を新築してしまった会社員は怒りをあらわにした。市は今も責任を認めず、汚染土除去のめどは立っていない。【日野行介】 福島市の会社員、大槻真さん(37)夫妻は2013年11月、JR福島駅から北2キロほどの約300平方メートルの更地を買った。敷地内に汚染土が埋まっているのは織り込み済みだったが、原発事故の避難者による住宅購入の影響で不動産価格が上昇する中、比較的安いのが魅力だったという。 前の土地所有者から市の文書「モニタリング票」を